2024/10/05 22:40
こんにちは。
Jwatchman髙橋です。
新入荷のご案内です。
オメガの定番
30㎜キャリバーが入荷しました。
30mmキャリバーとは
Cal.30を始点としてスタートした
一連のモデル名を呼びます。
部品の堅牢さと冗長性の高さで
長く作られた傑作シリーズです。
この個体の解説に移っていきます。
1959年に製造された
18金無垢の30㎜キャリバージャパンケースです。
外装を18金で形成した金無垢時計です。
外装部分を日本国内で製造する
通称”ジャパンケース”です。
当時、腕時計を完成品の
状態で日本へ輸入すると
非常に高い関税率が
掛けられた故の対策です。
機械、文字盤、針を
スイスから輸入し
日本国内で指定のサプライヤーに
製造させていました。
関税対策でしたが
輸出国のニーズに
合わせて外装を
設計できたので
結果的として
顧客に寄り添う
形になりました。
ジャパンケースは、
金の配合が本国(スイス)のものと
変わっており、銀色の強い
ゴールドであるのが
特徴です。
肌への
色なじみの良さは異次元。
現行の金無垢の様な
極端なぎらつきはなく
上品さのみが残る
独特の輝きを放ちます。
この個体最大の魅力は
個体自身が有するバックグラウンド。
店主は歴史が好きで
結果として時計の
バックグランドも
大好きなのですが
この個体を仕入れたのも
そのような経緯。
その秘密は
裏蓋の彫りにあります。
裏蓋には
とある教授の名前と
この時計が
門下生から贈られた旨が
彫られています。
贈られた年は1960年。
門下生達が一人の教授のために
予算を出し合って
このような時計を
プレゼントしたことに、
驚きを隠すことが出来ません。
高度経済成長期の
最中とはいえ、
1ドルが360円の時代。
教授がいかに
門下生たちから
慕われていたかが
分かります。
人の生きてきた
証をダイレクトに
感じることが出来る
一本といえます。
そしてこの個体の
もう一つの魅力が
当時の箱とギャランティー(保証書)が
そのまま付属している点です。
ヴィンテージは
付属品が後付けで
あることが多く、
個体番号やネームが
然りと入った保証書が
残っていることは奇跡的です。
この教授は
本当に一本を大切に
使っていたことが分かります。
歴史的な
資料としても
物を継承するという
意味でも貴重なセットです。
お値段は
398,000-
(整備費込み、動作一年間保証)
こちらは現在
東京の銀座一丁目
ヴィンテージオメガに特化している
『Vintagewatch Whitekings』にて
展示販売中です。
実際にお手に取って
ご覧いただける他、
私、髙橋が在店している場合は
直接ご説明を差し上げることも
可能です。
ぜひ一度ご覧いただけますと幸いです。