2024/10/23 15:09

こんにちは。

Jwatchman髙橋です。


今回は

ヴィンテージの金無垢時計に

ついてお話しようと思います。


突然ですが・・・

金無垢というと

皆さまはどんなイメージを

お持ちでしょうか?


成金?イカつい?

日本国内での

金無垢に対するイメージは、

どちらかというと

良いものではないかもしれません。


そういったイメージが付いた理由は

日本のバブル期にあると考えられます。


バブルの時代、

日本は世界のトップを

走る経済大国であり、

世界中のあらゆる富が

日本に集まってきました。


時計に関しても例外ではなく、

世界に点在していた希少モデルが

かき集められてきました。


そこで

紳士的に着けこなせれば

良かったのですが、

当時の人々が

行った着けこなしは

お世辞にも「かっこいい」と

思えるものでは

なかったと言われています。


ブレスレット(金属のベルト)はダラダラ、

組み合わせをガン無視した

成金のような格好で

街に繰り出していました。


その状況を

見ていた方からすれば、

「金の時計」は成金くさくて

みっともないとなるわけです。


現代において

「特定のファッションブランド」が

みっともなく見られるあの現象と全く同じです。


TPOを無視した使用方法が

その特性と本来の立ち位置を

棄損してしまいました。



本来、

金というものは

尊ばれるもの。


金は人工的に

生成することができず、

存在するだけで価値を持ちます。


そのため、

古来より

通貨として機能してきました。

また、電子部品として需要があり

現在ではレアメタルの1つ

として数えられます。


日本は旧来、

金が発掘される国です。

歴史を見返してみても、

佐渡金山、菱刈金山などが存在。


日本人は金を上手く加工し

金属象嵌や金継ぎといった

用途に用いていました。


また江戸時代に

限定的ではあるものの

行われていた貿易では

金を主な輸出物として

扱っていた時期もありました。


日本人にとって金とは、

生活の一部であり身近なものでした。



とはいえ、

現代において

金を身に着けるのは

最初は抵抗があるもの。


しかし、

日本人の肌の色は

一般的に黄色みが強いものです。


裏を返せば、

肌との一体感は抜群です。


それゆえに

宝飾店でよく言われるセリフがあります。

「日本人の肌は黄色味が強いので

イエローゴールド(YG)は良くお似合いになります。」


肌には、

イエベとブルべという概念が存在しますが

一般的にイエベには

イエローゴールド、ピンクゴールドが

似合うと言われています。

肌との一体感が特徴的です。

↑ 1948年製 ティソ 9Kピンクゴールド


一方

ブルベには

ホワイトゴールドがマッチする他

優しい色味の

ピンクゴールドもよく合います。

透明感のある色味と

白みの強い肌に連続性が生まれます。


金無垢時計を選ばれる際は、

ご自身の肌ベースを見極めた上で選ばれると良いでしょう。

↑ 1960年代のミスチューダー。

ホワイトゴールドの仕様。金の柔らかさを活かした繊細なヘアラインが魅力。

↑ 側面に金刻印。ホールマークと呼ばれます。


ひと口にYGといっても、
配合されている銀や銅、
パラジウムによって
色味は若干異なっています。


実は

金にも経年変化が起こります


ヴィンテージの金無垢時計を

語るうえで外せないのが金の変色です。

金錆とも呼ばれるこの現象は、

金に配合されている割金が

経年変化することで起こります。


特に、

銅が多く配合されている18金を

使用した1950年代の時計は、

ブロンズのように変化しやすく、

独特な色味へ

変化することがわかっています。


一方で、

銀を多く配合する14金の時計は、

経年変化が起こりにくく

白っぽい色味を発するのが特徴です。

↑ エテルナマチック 

トップゴールド製法(14金張り) 

白みが強いゴールドです。

↑ 金焼けが発生している50年代のシーマ。


このような金焼けは

以前であれば、還元によって

排除されていましたが

現在となっては

好まれる対象へと

変わりつつあります。


かくいう店主も

金焼けは大好物です。



金焼け自体が

その個体が使われてきた背景を

指し示す年輪みたいなものだと考えています。


鋭い輝きを放つイエローゴールドでも

経年変化したものであれば

マイルドになり、自身のスタイルに

落とし込むことが容易になります。


デニムでいうフェードや

銀製品でいうところの硫化といった

現象に近しいものといえるでしょう。


材質が同じでも

仕上がりは均一ではなく、

個性を発揮できることが

金素材の強みです。



そして何より

金の強みとして

忘れてはいけないのが

高い耐食性を有するということ。


金は、

イオン化傾向が小さく

錆びにくい素材として知られています。


錆びにくいというのは

時計にとって生命線。


長く使う上で

本来の形状や性能を発揮できる

というは重要なアドバンテージです。


見た目だけではなく、

その性質までもが

愛おしい金です。


Jwatchmanでは

そのような金時計と

日常使いするうえで

マンネリ化しないような

時計達を扱っています。



P.S

店主が

金無垢時計を愛する理由は

上に挙げたものはもちろんのこと

音も楽しむことが出来るからです。

私物の金無垢エテルナを

指で打った時の音が心を満たします。


それだけではなく、金特有の

触った際のひんやりとした感覚。

これはもう夏場には

たまらないオアシス

といえるのではないでしょうか。


金無垢時計には

資産性だけではない

ロマンと実用性が詰まっています。